体毛が悩みの方にとっては、老若男女問わず、医療脱毛は必ず考えることでしょう。しかし、そこで気になるのは「医療脱毛のリスクや副反応」ですよね。
実際のところ、医療脱毛でどのような副作用がでる可能性があるのでしょうか。
そして、医療脱毛による副作用にはどのようなものがあるのでしょう。
この記事では、医療脱毛で起こる可能性のある副作用について解説します。
この記事を読むことで、医療脱毛の副作用やリスクの原因や症状とその対策が理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。
- 医療脱毛で起こりうる副作用やリスク
- 医療脱毛で副作用やリスクが起きる原因と症状
- 医療脱毛の副作用やリスクを最小限にするための対策
目次
なぜ医療脱毛で副作用が起こる可能性があるのか?
そもそも、なぜ医療脱毛で副作用が起こるのでしょうか。
それは、レーザー脱毛は高温の熱で毛根にダメージを与える仕組みだからと言えます。
レーザーでなぜ脱毛されるかというと、医療脱毛では毛根の周りにあるメラニン色素に吸収されやすいレーザーを使って、吸収された光エネルギーを熱エネルギーに効率的に変換します。そして、毛根周囲に熱を発生させることで、毛根の細胞分裂をさせないようにして「永久脱毛」が完成するというわけです。
しかし、メラニン色素に吸収されやすいレーザー光を使用するとはいえ、すべてが毛根だけに吸収されるわけはありません。一部分の光エネルギーは、通常の肌にも吸収されて熱エネルギーに変換されます。そのため、通常の肌にも一定の熱エネルギーが加わるため、肌にある程度負担をかけることになってしまいます。
特に敏感肌や乾燥肌、日焼けしているような褐色の肌の場合などは、余分に熱エネルギーが加わることでしょう。
これが医療脱毛における「副作用」につながります。
脱毛後、一見何のトラブルもないように思えても、肌が予想以上にダメージを受けている場合もあります。
それでは、医療脱毛でどのような副反応が考えられるのか、順にみていきましょう。
医療脱毛でどのような副作用が起こりうる?
ここでは医療脱毛による副作用について、代表的なものを3つ紹介していきます。
毛嚢炎(もうのうえん)
医療脱毛による副作用の一つである毛嚢炎(もうのうえん)とは、毛穴周辺の皮膚組織に炎症が生じる状態を指します。医療脱毛後、毛穴周辺に炎症や赤み、腫れ、かゆみが生じることがあります。
【原因】
毛嚢炎は、医療脱毛によって毛根が破壊されることで生じる可能性があります。ダメージを受けた毛根に、皮膚にもともと住み着いている菌が生着して異常増殖すると毛嚢炎として発展します。
【症状】
毛嚢炎は、赤みや腫れ、かゆみが一般的な症状であり、肌のダメージが落ち着けば、徐々に自然に治っていきます。
しかし、菌に感染している程度が強い場合は、熱や痛み、ジクジクして膿が出てくる場合もあります。この場合には医療機関を受診することが必要です。
火傷(やけど)
医療脱毛では、レーザーを用いて毛根にダメージが加わる際に周辺の皮膚組織へ熱が加わり、火傷のような症状が現れることがあります。
【原因】
医療脱毛では、毛根を破壊するためにレーザーや光を用いて熱を加えます。しかし、熱が周辺の皮膚組織にも加わることで、火傷を引き起こすことがあります。
火傷のリスクは、医療脱毛の種類や機器、施術者の技量などによって異なります。一般的にもともと乾燥肌だったり、日焼けした肌の場合、火傷になりやすくなります。
【症状】
医療脱毛による火傷の症状は、軽度のものから重度のものまでさまざまです。
軽度の火傷の場合は、赤みやかゆみ、痛み、ひりつき感などが現れることがあります。重度の火傷の場合は、水ぶくれや皮膚が剥がれ落ちたり、出血、瘢痕などが生じたりすることがあります。
火傷の症状が現れた場合は、あとで重度の火傷につながることもあるので、すぐに医療機関を受診した方がよいでしょう。
硬毛化
医療脱毛による副作用の1つである硬毛化とは、「毛自体が太く硬くなり、かえって目立つ毛になる」こと。
また、似たような疾患に医療脱毛の後にかえって毛の量が増えるようにみえるため「増毛化」ということもあります。
【原因】
硬毛化する原因は、はっきり解明されていませんが、以下の2つの説が有名です。
1つ目は、「レーザー脱毛で毛の再生組織が不完全にダメージを負った場合、再生組織が刺激されて、かえって毛の成長を早めてしまう」とする説。
レーザー脱毛では、毛の発育組織である「毛乳頭」周辺のメラニン組織で吸入される特殊なレーザー光を使い、メラニン組織で熱エネルギーを発生させて毛乳頭にダメージを与えることで「永久脱毛」していきます。
ただし、熱エネルギーの与え方でたまにかえって毛乳頭での発育を刺激してしまうことがあり、硬毛化が起こったのではないかとされています。
2つ目は「レーザー脱毛で毛乳頭を刺激し、毛のサイクルが早まった」とする説。
毛はいつも同じように見えますが、「成長期➡退行期➡休止期」の3つの時期をグルグル回っています。一番多いのは休止期の毛なのですが、レーザー脱毛で熱エネルギーを与えると、休止期に入っていた毛がかえって刺激されて、稀に成長期に移行し、毛が硬く太くなっていくのではないかとされています。
いずれの説にしても、細胞の分裂組織である毛乳頭に刺激を与えた結果になるというわけです。
【症状】
硬毛化の症状では、文字通り、かえって脱毛前よりも毛が太くなります。
1つ1つの毛が硬く、太くなってしまうと毛の量自体が多く見えます。
医療レーザー脱毛で硬毛化が起きるのは、100人に1人と言われています。発症する確率はとても低いですが、起こった時に驚かないようにあらかじめ知っておくことはとても大切です。
「照射漏れ」の可能性も
副作用ではありませんが、医療脱毛では照射されるべき部位が十分に照射されず、一部分が「照射漏れ」になってしまうことがあります。
この照射漏れは、脱毛効果が低下するだけでなく、一部分だけが照射されてしまうことで、余分に通常の肌にダメージを与える可能性があります。
【原因】
照射漏れは、機器の調整不良、施術者の操作ミスや技術不足などによって生じる可能性があります。また、肌の色や毛の色によっても照射漏れが起こりやすくなることがあります。
例えば、濃い毛色を持つ人や凹凸の激しい場所、患者と施術者で事前のコミュニケーションが足りない場合では、照射漏れが起こりやすい傾向があります。
【症状】
照射漏れでは脱毛が完了していない部分があるため、処理したはずの部位から再び毛が生えてくることがあります。また、他の場所に照射されている分、肌の別の場所で痛みや赤み、熱感などの症状を伴うことがあります。
医療脱毛で副作用を最小限にするには?
このように医療脱毛には、毛嚢炎や火傷、硬毛化、照射漏れなどの思わぬリスクの可能性があるため、普段の予防やケアがとても大切です。
では、どのようなところに普段から気をつければよいのでしょうか?
例えば、副作用を最小限にするためには、以下の対策が考えられます。
適切な脱毛機器を選択する
実は「医療脱毛」と一言でいっても、脱毛部位や肌の色、毛の色などによって適した機器が異なります。
例えば、レーザーの種類ひとつとっても、浅い層に効率的に効果を発揮する「アレキサンドライトレーザー」、肌の奥までの毛をしっかり脱毛する「ヤグレーザー」、両者の中間に効果を発揮する「ダイオードレーザー」まで幅広くあります。
適切な機器を選択することで、副作用を最小限にすることができますね。
各クリニックホームページなどで、どのようなレーザー機器の特徴があるか掲載しているところが多いので、事前にチェックするようにしましょう。
事前カウンセリングを徹底する
医療脱毛の前には、担当者による十分なカウンセリングが必要です。カウンセリングでは、肌の状態や、脱毛の施術方法、副作用のリスクや予防策、施術前後の注意点などについて説明されます。
この時「こんな質問しても大丈夫かな」とためらわずに、自分自身の体調やアレルギーなどをしっかり伝えていきましょう。担当医師、スタッフとコミュニケーションを蜜にすることで副作用を最小限にすることができます。
医療脱毛後にアフターケアをしっかりする
医療脱毛では、少なからず肌にダメージが出てきます。
そこで大切なのがアフターケアです。施術後のアフターケアをしっかりすることで、ダメージを最小限に抑えることができるでしょう。
例えば、次のようなことを意識してみてください。
- 保湿を徹底する:医療脱毛後は、少なからずレーザー照射により、肌が乾燥します。そのため、保湿剤を使用することで肌の乾燥を防ぎましょう。
保湿剤の選択は事前カウンセリングの際に相談してみるとよいですね。 - 日焼け止めを使う:医療脱毛後は、肌が敏感になっているため、紫外線による刺激を受けると色素沈着や肌荒れが起こることがあります。そのため、外出する場合は、敏感肌でも使えるような「散乱剤」の日焼け止めを使うとよいですね。
夏に限らず冬でも日焼けに注意しましょう。 - 入浴はなるべく短めに:医療脱毛後は、肌が敏感になっているため、熱いお湯や長時間の入浴は肌に負担をかけることがあります。そのため、入浴の際は、温度を抑え、時間を短くするように心がけることが推奨されます。
- 刺激を避ける:肌を擦ったり、掻いたりすることはレーザー照射後の肌には厳禁です。かならず避けるようにしましょう。
【まとめ】医療脱毛の副作用とリスクとは?その原因・症状・対策についても解説
医療脱毛による副作用について、ご説明していきました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
- 医療脱毛の後には、一般的なかゆみや腫れのほかに「毛嚢炎」「火傷」「硬毛化」などの副作用が生じることがある
- 医療脱毛では、他に「照射漏れ」を生じる事があり、十分脱毛されないばかりか、他の肌に余計なダメージが出てくることもある
- 医療脱毛の副作用を最小限にするためには、普段から施術者との蜜なコミュニケーションや適切な医療機器の選択、医療脱毛後のアフターケアを徹底する
どのような治療にも「副作用」はつきもの。
基本的に医療脱毛は、正しく使えば安全性の高い医療技術の1つです。
リスクとのバランスを考えながら、素敵な脱毛ライフをお過ごしください。