数ある脱毛機のなかでも人気の高いのが「メディオスター」。大手の美容クリニックをはじめ、「痛みが少ない脱毛機」として導入されています。
しかし、メディオスターといっても、実は年々改良がすすめられており、数多くの製品がラインナップされているのです。
この記事では、メディオスター全体の機器の特徴から各世代の機器について、わかりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、医療脱毛に使われるレーザー機器の種類について、下記のような疑問や悩みを解決します。
- 医療脱毛によく使われる「メディオスター」と大まかな特徴を理解できる
- どのような方がメディオスターに適しているのか理解できる
- メディオスターの各世代毎の機種の特徴を理解できる
目次
メディオスターの特徴は?
メディオスターは、日本国内ではグンゼメディカル株式会社によって販売されている脱毛機で、蓄熱式脱毛機として非常に有名なのが特徴です。
蓄熱式とは、従来よく行われる「熱破壊式」とは全く異なる脱毛方式。
「熱破壊式レーザー脱毛」とは、毛根のメラニン色素に着目し、メラニンに吸収されやすいレーザー光を高出力でスポット照射することで、毛根から脱毛する方法です。
一方、メディオスターに代表される「蓄熱式レーザー脱毛」とは、毛根細胞に栄養を送っているバルジ領域周囲のメラニン色素に焦点をあてて、じわじわ間接的に毛根にダメージを与えて脱毛します。バルジ領域は毛根よりも浅い層にあるため、高出力である必要がなく、少ない痛みで脱毛が可能です。
こんな人がメディオスターに向いている
蓄熱式レーザー脱毛の代表機器と評されるメディオスターは、一般的に以下の方におすすめです。
- 普段から痛みに敏感
- 時間がかかっても刺激はマイルドな方が良い
- 過去に他のレーザー脱毛が辛すぎてやめてしまった
さらにメディオスターはペルチャ冷却方式で、肌を守りながらレーザー照射するのも特徴の1つ。
ペルチャ冷却方式とは、2種類の金属をつなぎ、電流を流すことで起こる「ペルチェ効果」という効果を使った冷却方法です。
メディオスターのハンドピースには、この強力な冷却装置が照射口を取り囲むように搭載されているので、強力に冷却し、肌へのダメージを最小限にしながら照射していきます。
しかし、蓄熱式レーザー脱毛方式で強力な冷却装置を搭載していても、痛みが「ゼロ」であるわけではありません。ことさら痛みに敏感な方は、事前カウンセリングで痛みに弱いことを伝えておきましょう。事前に麻酔クリームで痛みを軽減したり、出力を調節してアレンジしてくれる場合があります。
メディオスターの世代別機種の特徴
メディオスターと一言でいっても、開発順に様々な機種があります。
もちろん新しく発売された「メディオスター」の方が改良されていることがありますが、古い機種でも実績が豊富であるという良さがあります。
大切なのは、クリニックで扱っている機種が、どの「メディオスター」かを知ること、そして、メディオスターの各機種の特徴を知ることです。ホームページで分からなかった場合は、事前カウンセリングの時に機種についても尋ねるようにしましょう。
各世代別機種のメディオスターの特徴は、以下の通りです。
第1~3世代 メディオスターHC・XT・miXT・Effect
メディオスターシリーズの第1~3世代が、メディオスターHC・XT・miXT・Effectです。
1番古い機種なので、新しい機種と比べると「性能面は劣る」と感じる事が多いでしょう。
一番最初のメディオスターHCは、1999年に開発されたダイオードレーザー(810nm)脱毛機器です。その後、2004年にメディオスターXTが、2005年に810nmと940nmの波長をもつメディオスターmiXTが登場、さらに改良されたのが2008年発売のメディオスターEffectです。
いずれの機種もすでに発売から15年以上前の機種になりますから、クリニックでお目にかかることは非常に少ないかもしれないです。
しかも、このころのメディオスターは「蓄熱式モード未搭載」でした。今は「蓄熱式レーザーといえばメディオスター」と呼ばれるくらい代表機種になっているので意外ですよね。また、後述する「2種類のレーザーをブレンド照射する」ということも、この頃はできませんでした。
「メディオスターにも、こんな機種があった」くらいに思っておくとよいでしょう。
第4世代 メディオスターNeXT
メディオスターシリーズの第4世代が、メディオスターNeXTです。2011年に発売されました。このあたりから、クリニックにもまだ導入されている機器があるでしょう。
メディオスターNeXTの一番の特徴は「810nmと940nmの2種類のダイオードレーザーをブレンド照射できる」こと。これまでのメディオスターでは、2種類のレーザーが別々に照射されるので、幅広く一度に照射することができませんでした。
ブレンド照射ができるようになったことで、治療のバリエーションが飛躍的に進歩したのです。
第5世代 メディオスターNeXT PRO
さらに、第4世代のメディオスターNeXTを改良したものが、メディオスターシリーズの第5世代「メディオスターNeXT PRO」です。2014年に発売され、多くのクリニックで導入されているメディオスター機器といえるでしょう。
メディオスターNeXT PROになって、とくに大きく向上したのは施術時間の短縮化です。照射パワーや照射スピードはそのままに、ハンドピースの面積を最大9.1㎠と6.5倍に大きくすることで、圧倒的な時間短縮を実現しました。
もちろんメディオスターNeXTの持ち味である「810nmと940nmの2種類のダイオードレーザーをブレンド照射」という特徴も引き継いでいます。
この改良により、忙しい現代人のニーズに合わせながら、蓄熱式レーザー脱毛により痛みも少ない脱毛機器という地位を確立していきました。
第6世代 メディオスターモノリス
さらに、メディオスターNeXT PROを改良し2021年に発売されたのが、「メディオスターモノリス」です。
メディオスターモノリスの一番の特徴は「使用者の技術差によって効果が左右されにくい機種である」という点です。
メディオスターモノリスは、タッチパネルで部位や肌タイプ、毛の濃さ(密度)や太さなどを設定するだけで、最適な出力による照射が可能になっています。つまり、事前情報を入力するとコンピューターが自動的に「最適なプログラム」を算出してくれるわけです。
一方、メディオスターNeXT PROではそうした「オートマ操作」がなく、施術者の技術に大きく左右されていました。そのため、クリニックに寄らない安定した施術が可能になったといえます。
逆にいうと、熟練した経験者でも同様のレーザー照射になるので、今まで経験とカンを頼りにして通常より素晴らしい脱毛をしていた場合は、かえって劣ってしまうかもしれないというデメリットもあります。
もう1つの改善点は、「照射スピード」です。ハンドピースが、メディオスターNeXT PROが3種類であったのに対し、メディオスタ―モノリスは4種類に追加。さらに、2つのハンドピースの常時接続が可能なので、スピーディーにハンドピースを切り替えられます。また、メディオスターモノリスは1発あたりの照射時間(パルス幅)もより短く、より高速な連射が可能になっています。
これらにより、範囲の広い背中や全身脱毛などでの照射時間の短縮につながっています。
【まとめ】メディオスターの脱毛効果は?機器の特徴を解説
この記事では、医療脱毛によく使われる「メディオスター」についてご紹介していきました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
- メディオスターは主にダイオードレーザーを使う、蓄熱式レーザー脱毛として有名な脱毛機器
- メディオスターと一言でいっても、開発順に「メディオスターHC・XT・miXT・Effect」「メディオスターNeXT」「メディオスターNeXTPRO」「メディオスターモノリス」などの機種が挙げられる
- 新しい機種が開発されるごとに、蓄熱式レーザー脱毛ができるようになったり、2種類の波長のダイオードレーザーのブレンド照射ができるようになったり、照射時間を大幅に短縮したりなどの改良が加えられている
ぜひ美容クリニックで脱毛の施術についてカウンセリングを受ける際には、「メディオスターなんだ」で終わらせず、メディオスター各機種や他機種の特徴を考えながら、自分にとっての最適な脱毛方法を模索するとよいでしょう。