脱毛は、現在のところ、脱毛サロンや脱毛クリニックで受けることができますが、光脱毛や医療レーザー脱毛の最中に、まれに火傷をすることがあります。通常、火傷は起きることはありませんが、万が一のことも考えて、火傷が起きたときの治療法や対処法を確認しておきましょう。
目次
普通の火傷と脱毛による火傷の違いとは?
火傷(やけど)というと、調理中などに熱い鍋を触ったり、熱いお湯を触ったりして手に火傷を負ったり、熱いものを口にしたりしたときに舌に火傷を負ったりすることがあるでしょう。この普通の火傷と、脱毛による火傷には大きな違いがあるのです。
簡単に違いを述べると、普通の火傷は皮膚の表面に直接、熱いものが触れることで起きるものです。一方、脱毛による火傷は皮膚の表面ではなく、皮膚の内部にあるメラニン色素が熱を持ち、周囲に熱を伝えることで起きる火傷です。詳しく解説していきましょう。
脱毛機器の光やレーザーで皮膚に照射を行っても、皮膚に当たっただけでは火傷はしません。なぜなら、光やレーザーは、メラニン色素だけに反応するためです。毛穴の内部にある毛根部分のメラニン色素をめがけて、光やレーザーを照射し、毛根部分にある毛を作り出す細胞を熱破壊することで脱毛を行う仕組みになっています。
しかし、光やレーザーの照射で火傷が起こることも決してゼロではありません。なぜなら皮膚にメラニン色素がある状態で照射をすると、皮膚のメラニン色素に光やレーザーが反応するため、熱エネルギーが発生し皮膚にダメージが及んでしまうからです。
皮膚にメラニン色素がある状態とは、例えば日焼けした肌の黒ずんだ状態や、色の濃い黒ずみが広範囲にわたる色素沈着を起こしている場合、大きなホクロがある場合です。
脱毛の火傷を放置するとどうなるの?
脱毛で火傷を負った後、放置すると、皮膚に赤みや腫れが起きることがあります。また少しヒリヒリしたりすることもあります。そのまま放置すると炎症を起こしたり、色素沈着になったりすることがあります。
このことから脱毛で火傷を負ったら、できるだけ早く正しい処置をする必要があるのです。
脱毛後に「火傷かも」と感じても自己判断は禁物
しかし脱毛後に赤みなどが出て、「これは火傷かもしれない」と思っても、自己判断をして自己流の対処をするのは良くありません。間違った対処をすると症状を悪化させるリスクもあるからです。
そこで脱毛による火傷への間違った対処法と正しい対処法をそれぞれご紹介します。
脱毛による火傷への間違った対処法
普通の火傷といえば、水道水で冷やす、保冷剤で冷やすなどの対処法をとると思います。しかし脱毛による火傷は普通の火傷とは違うので、慎重に対処する必要があります。ですから勝手に自己判断で冷やしたり、市販の火傷用の薬を塗ったりするのはやめましょう。もちろんかゆみが出ても、かかないように気をつけましょう。
脱毛による火傷への正しい対処法
脱毛による火傷への正しい対処法は、脱毛したサロンやクリニックにできるだけ早く相談することです。脱毛クリニックであれば医師が常駐していますので、診察をして適切な診断と処置を行ってくれるでしょう。
自分で火傷だと思っても、それが火傷ではなく、脱毛後によく起こる赤みや軽い炎症の可能性もあります。
火傷の治療方法ってどんなもの?
もし脱毛による火傷と診断された場合、どのような治療方法で処置されるのか気になりますよね。そこで火傷の治療方法について解説します。
火傷は程度によって4段階に分かれます。
- I度熱傷
- 浅達性II度熱傷
- 深達性II度熱傷
- III度熱傷
I度熱傷では赤くなり痛みが出ます。II度熱傷では水ぶくれが発生し、痛みも出ます。これらは軟膏を塗るだけで徐々に改善していきます。
II度でも深達性というものがあり、赤色や紫色、白色になり、水ぶくれが起きます。ただ、痛みは起きません。
III度熱傷は、皮膚が壊死している状態です。色は黒ずむか白色になり、痛くありませんが、水ぶくれはできません。
この深達性II度熱傷とIII度熱傷段階では、植皮という皮膚移植を行う必要が出てくることがあります。
いずれもまずは流水などで冷やす処置をするのが欠かせません。
これらのうち、光やレーザーによる脱毛では、ほとんどの場合、I度熱傷であるといわれています。つまり、数日で治ります。処置は軟膏を塗るのが一般的です。
脱毛による火傷の予防法は?
脱毛による火傷は予防することができます。その予防策を脱毛サロン、家庭用脱毛器、医療レーザー脱毛それぞれについて確認しておきましょう。
脱毛サロンでの注意点をチェック
光脱毛を行っている脱毛サロンで脱毛を受けた場合、脱毛機器の照射パワーから考えると、通常は火傷になることはほぼないと考えられます。しかし出力レベルを誤ったり、誤って日焼け肌や濃い黒ずみなどに照射してしまったりした場合には、火傷が発生する可能性はあります。
脱毛サロンで照射を受けるときの注意点として、まず脱毛サロンは医療機関ではなく施術を行う人は国家資格を必要としないことから、もし火傷を負ったときにその場で適切な処置を受けられることは、ほぼないということを知っておくことです。
対策としては、日焼けや黒ずみ、ホクロなど火傷の恐れがあるものはないか、必ず自分自身でチェックしておくことや、脱毛サロンへ契約前に火傷が起きたときはどのような対処方法があるのかを聞いておくことです。
家庭用脱毛器での注意点をチェック
家庭用脱毛器で脱毛照射を行う場合、日焼けやホクロ、黒ずみなどの部位には絶対に照射しないことが一番の注意点です。
また家庭用脱毛器を選ぶときに、製造元が信頼のおける会社かどうか必ず確認しましょう。知名度の低い外国製のものは、信頼性に欠ける可能性があるため、よく考えてから購入するようにしましょう。
医療レーザー脱毛での注意点をチェック
医療レーザー脱毛は、国家資格を持つ者しか行うことができません。そのため、その医療機関が信頼がおけるかどうか、まず契約前によく確認しましょう。そして、万が一火傷が起きてしまったときに、そのクリニックではどのような対処をしているのかとともに、火傷が起きないようにする対策は、どのように行っているのかも必ず確認するようにしましょう。
もちろん、日焼けや黒ずみ、ホクロなどを、施術者が見落とすこともあるかもしれません。ですから必ず自分の目でチェックして、火傷が起きそうなものはないかどうかもチェックしておきましょう。
脱毛自体が初めての場合、医療レーザー脱毛では照射のパワーが強い場合もあります。火傷はしないものの、肌に赤みが出るなど肌トラブルが起きる可能性もないわけではありません。そのため、テスト照射を受けるなどして、まずは試してみるというのも一つの方法です。
【まとめ】脱毛による火傷の正しい対処法と通常の火傷の違い
脱毛で火傷をすることはまれですが、起きる可能性はゼロではありません。このことから、脱毛を受ける側は、脱毛の施術を受けるとき、もしくは家庭用脱毛器を用いて自分で行うときには、今回ご紹介したことを参考に、よく注意して行うようにしましょう。